コンサルタントの眼

第4回「どのビジネスを選択すべきか? 決断のStep」by 果田 理奈


東日本大震災、台風12,15号による被害で亡くなられた多くの方々のご冥福をお祈り申し上げます。 そして、被災地の皆様とご家族の方々に心よりお見舞い申し上げます。

さて、今回の本題は、
『我が社は、どのビジネスをどう続けるべきか?』

脚下照顧。昨今、本当によく相談される。
経済が右肩上がりの時は、圧倒的な努力をせずとも、利益が出る経済構造になっている。
しかしながら、右肩下がりの現状では、ビジネスは中途半端な気持ちでは、続けられない。
どのビジネスを選択すべきか?決断のステップは、3つ。

Step1:観察
事業の内容をよく見ること。まず事業内容を感情移入せずに、データで収集すること。

Step2:分析
収集したデータから、事業の内外の「動き」について、本道か、脇道か?分析すること。
本道とは、「企業の実力を発揮できる方向、あるべき姿」である。

Step3:決断
分析の結果「本道でない」と判断しても、事業としての継続の必要性とは別である。
「これをやってて、未来があるか?!」最終的には、これに尽きるが、マッチングしている時=儲かっている時には、誰もそんなことは、問題にしない。
「本道でない」場合でも、利益が出ていることで誰もが納得する。

しかしながら、ミスマッチング&赤字の場合には、その原因を追及し、何かを取捨選択するしかない。
ランディング・ポイントは、利益を出すこと! 
資本主義社会で経営する以上、当然のことである。

迅速に迷いなく決断する/決断した後で後悔しない、ためには、Step1,2 までは常に行っておくことだ。
事業としては本道ではないが、利益を上げている以上、急な切り返しはできない、しかしながら、状況が一変した際には、踏ん切りよく経営方針のハンドルを切るためには、いつでもその見極めをする準備を行っておくことである。

本道だけを追求してビジネスが成立したら、誰も苦労はしないし、悩みもしない。
ここで必要なのは、あとは決済権を持つ者が、「何を欲するか?」と照らし合わせる。

・本道の場合、正々堂々と、大胆に、本物であることを誇示するべきだ。
 この道においては、我より右に出るもの無し!と宣言し、不退転の決意を誓約すべし。
 逆風さなかの場合には、追い風吹くまでの期間に耐えうる資本を確保すること。
 努力努力を重ねたうえでも、更に忍辱(屈辱にも黙って耐える)という試練があるってことも
 忘れてはならない。

・脇道の場合、逆風吹く瞬間を見逃さずに撤退し、次のビジネスプランに乗り換えること。
 深追いすると、傷が広がるばかりとなる。
 その場合には、ビジネス・サブプランを常にサーチする前準備が必要だ。
 謀は、繊細に秘めやかに。

まれに本物には、神風が吹くことが実際にある。
神風が吹いたように見えるのは、実は絶え間ない圧倒的な努力ゆえである。
圧倒的な努力、を人は運という。(『憂鬱でなければ仕事じゃない』より)
他人にはそれが見えない。努力している人間というのは、他人からは鬱陶しく見えるものだ。
アリとキリギリスの寓話は、それを如実に示している。
だが、想像力のある人には、目に見えない努力が見えてくるだろう。

日本の経済は、もう一度どすん! と落ち込むことが予想される。
一部の産業、一部の企業にとっては、一瞬にして真逆の様相となるだろう。
それは、ある日突然やってくる。
ゆめゆめ、過去に引きずられてはならない。


2011/09/26
果田 理奈
    国内光学メーカ勤務後、システム開発現場にて在宅マネジメント体制を確立。
    プロジェクトマネジメント/コンサルティング分野にて、企業の戦略を提案することが得意。
    アトリエ イシカワ コンサルタント