コンサルタントの眼
第12回「"株式会社 自分"を成功させる組織構成」
~ 役員構成は4部門 ~
by 石川 恵美
「株式会社 自分」のバランスのとれた組織構成の主役の社長は、もちろん本来の自分自身です。
そして、役員構成は4部門。
①「行動力」:自らの意志を実行に移す力
②「直観力」:感性、インスピレーション、情報収集選別力
③「調和」:バランス、振れ幅の調整、必要な他との協調
④「充足感」:自己の満ち足りた感
「株式会社 自分」は、この4部門を統治管理する役員の推進力で、社長(あなた自身)の本領が発揮されます。
①「行動力」、②「直観力」、③「調和」 いずれも不足/過剰していては、業務を遂行し続ける事は困難でしょう。
(株)アトリエ イシカワが推奨するAIメソッドでは、当初この3つでしたが、④「充足感」の重要性が認識されて改定されました。
プロジェクトを遂行していると、いろいろな問題が発生しますが、ある日突然、晴天の霹靂というケースは、意外にも少なく、ほとんどは、事前に誰かが信号をキャッチ、または予測していることが多いのです。
(株)アトリエ イシカワでは、この「いつ、どこで、信号がたったか?」を重要視しています。
短期間の場合、問題が発生する前にプロジェクトが完遂していれば、事無きを得ます。
しかしながら、無事に終わったとしても、何かしらのわだかまりやこだわりが残ります。
「終わりよければ、全てよし!」???いやいや、④「充足感」にアラート発生。
ん?なんか信号が立っている、なんだろう?何か自分は気にかかっている…
または、
なんでこうなるんだよー?!だから言ったろー、まぁ今さらオイラが言っても仕方ないか…あーあ…
この時、ほとんどが事実と予測と感情が「ごちゃまぜ」になっていることが多いのですが、このわだかまりを整理せずに10年経過し、よくわからないまま、さらに10年経過すると、「株式会社 自分」の本来の方向性との乖離が顕著になってしまいます。長い周期のメンタル不調もここが原因になります。
この「ごちゃまぜ」を4つの役員に”客観的”に担当振り分けてみましょう。
①「行動力」部門:やるべきことを実施できた?できなかった?やりすぎた?それは何故?
②「直観力」部門:必要な提言を実施できた?できなかった?言いすぎた?それは何故?
③「調和」部門:周囲状況を認識、協調できた?できなかった?気のを回しすぎ?それは何故?
④「充足感」部門:結果的に、満足できた?できなかった?それは何故?
自分起因には☆をつけ、外部環境因子は★をつけてみましょう。
自分に原因があることも多いですし、満足できない理由のほとんどが不可避の外部環境条件ではないでしょうか?
理想の業務環境であることは、本当に稀です。
不満や問題を感情の池の中に放置していくと、「ごちゃまぜ」泥沼になって、ぬきさしならない状態になってしまいます。
⑴「ごちゃまぜ」を4つの役員に”客観的”に担当を振り分ける
⑵自分起因には☆をつけ、外部環境因子は★をつけて分類する
⑶☆を乗り越え、★を回避する(リスクヘッジ)の経営計画をたてて、実施する
⑷4つの役員を評価する。
次に実施するプロジェクトでは、☆を乗り越え、★を回避するようになると、各役員の功績があがります。
そしたら、「株式会社 自分」の社長として、「よーくやった!誉めて遣わす。」と、ご褒美を。
どこかを犠牲にしなくていけないケースもありますが、11回「メンタル不調時、やってほしいこと-2」で指摘する「迷い」が長期間、頻発を繰り返しているようなら、5年以上続けない事!
(5年には、意味があります)
それは、実行可能な経営計画では、ないのです。社長(あなた自身)の本領を発揮する別の経営計画をたてることを推奨します。
現実を直視しないと、組織の崩壊につながりますね、「株式会社 自分」も同じなのです。
人間は、常に振れ幅があり、同じところに留まっていません。
大きくプラスに振れていても、マイナスに引っ張られることも多々ありますが、
⑴~⑷を繰り返していると、分類が上手に仕分け出来てきて、いつのまにか成長している「株式会社 自分」を発見できます。
と、ここまで書いた対象は、11回「メンタル不調時、やってほしいこと-2」で、④「充足感」を犠牲にして、メンタル不調になる人のケースです。
でも、昨今のプロジェクトの問題は、④「充足感」を最優先している人が多いこと、じゃないかな。
という訳で、次回のコンサルタントの眼は、「第13回 ”充足感”を重視しすぎの”8割君”」を掲載します。(たぶん、秋頃)
2017/06/09
石川 恵美
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国内精密制御装置メーカ勤務後、1994年アトリエ イシカワを設立。
専門は、半導体製造装置、検査装置、製造管理システム。
アトリエ イシカワ代表取締役 装置プロデューサー/生産ラインコンサルタント